〇文殊くん 1:その日あいつがやって来た。正確には呼んだ のだが。あいつとは僕が文殊くんと呼んでいる文殊師利菩薩のことだ。今日で3度目だ。1度目の時は僕が入院する前に｢それ、ただの肩こりじゃないよ｣｢すぐに救急車呼んで、診てもらった方がいいよ｣と教…

〇文殊くん2 9:僕が悪いのだが、ネットの注文カゴに探したテレビを入れて、注文確定ボタンを押したらありがとうございました。いつくらいのお届けになります。と出たのでそのまま安心してメールを確認しないままその日まで待ち侘びて待っていたのである。と…

〇文殊くん3 14:階段を降りる時にふと、そういえばもう疲れは取れてるからとか言ってたな、もしかしたら本当に取れてるのかもと思い体の方へ意識を巡らせてみた。｢疲れてんのかい！｣(普通こういう時は、あれ、本当に取れてる～が定番だろ！)そしてまだ寝むか…

〇文殊くん4 19:｢あの時代の幸せってねぇ、死ぬことなんだよ｣僕はえっと驚いた。あまりにも意外な答えだったからである。それとやっぱ確実に、僕以外の誰かがいることを確信した。僕が2重に驚いてると、続けて彼は｢大聖人がいたあの時代ってねぇ、飢饉や疫病…

〇文殊くん5 25:仏が死ねい！と死の宣告を行なってる。本当なのか？僕は耳を疑った。でも彼は常にやって来る病魔から信者をこうやって護っているんだ、だからきっと間違いじゃない。愛からくる厳しさみたいなものか。｢今出て来ないものは地獄行きぞ、さあ早…

〇進撃の巨人 夜の病院は静かだ。夜の9時を回ると消灯時間になるので、一斉に電気は消されテレビも消してくださいねと促される。僕はどちらかといえば深夜族なので夜中の2時くらいまでは普通に起きてる人間だが、病院では許されない。お前らは病人なんだから…

〇ミッションインポッシブル～ラマダンを終わらせろ～ 病院での食事は朝8時、昼11:30、そして夜は5:30 だ。通常の人間からしたら無茶苦茶なタイムスケジュールだ。まあ朝はいいとして、8:30に食べ終わるともうすぐに昼食が運ばれてくる。腹が減るわけが無い…